前回、前々回の記事と、1日1食に関する情報を記載してきました。
そして、1日1食にすることで、
- 摂取カロリーが減ることで痩せる。
- 食事に使うお金が減るのでお金が貯まる。
- 良い食事を選ぶようになる。
- 睡眠時間が短くて済む。
- 内臓を休められるため身体が疲れなくなる。
- デトックスされて美肌効果も期待できる。
- 免疫力が上がり、風邪を引かなくなる。
などなど、様々なメリットがあることがわかりました。
ここからは、具体的に1日1食などの少食に関する医学的な裏付けはどうなのかを
検証していきたいと思います。
長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)
南雲医師が流行らせた、この遺伝子ですが、正式名称を「サーチュイン遺伝子」といいます。
この遺伝子は、カロリーを制限することで活発に働くという研究結果が出ています。
あらゆる動物実験で食事の量を4割減らしたほうが、1.5倍長生きし、表情は生き生きとして
毛並みも良く、外観が若く美しくなることが証明されたそうです。
「最初は、おなかが『グーッ』と鳴ったら食事を取る。そのうち夕方になっても鳴らなく
なる。人間は危機的な環境になると生命力がわく。空腹でおなかが鳴っているときは若返り
遺伝子が増量し、長寿ホルモンが分泌され、肌つやも良くなる」と南雲医師は説明します。
長生きの秘訣は、何よりも肥満を避けることで、過剰なカロリー摂取が身体に悪いことは
間違いありません。
1日1食にすると、1度に摂取できる食事の量にも限界がありますので、実質カロリーを
制限する食生活となり、実践すればその恩恵を得られることは間違いありません。
もちろん1日3食でもカロリーを減らせば同様の効果は得られるとは思いますが、
1度食べ始めると、ついつい、美味しくて食べすぎてしまい量をコントロールするのは
至難の業です。
私の経験から言えば、1日1食にすることで勝手に摂取カロリーが減っていくというところが
他のダイエットにはない楽なところですね。
「サーチュイン遺伝子」はカロリー制限をすることによってスイッチがONになることが
わかっています。
皆さんも1日1食で「サーチュイン遺伝子」スイッチをONにして、長寿遺伝子を活性化して
細胞を若返えらせましょう!
空腹時間が16時間で、細胞は生まれ変わる!?
皆さんは、オートファジーというキーワードを聞いたことはありますか?
それは、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授の研究テーマです。
そのオートファジーに今、世界中の注目が集まっています。
人間が、がんを発症する主な原因は、「細胞の質の劣化」と、
「免疫力の低下(NK細胞の活性の低下)」です。
例えば、風邪を引くのは、ウイルス感染した咽のウイルスをNK細胞が殺傷できないからです。
すなわち風邪をよく引くということは、NK細胞の活性が弱いわけで、その体質さえ
改善できれば、同時にがんの発症を防ぐ可能性も高くなるのです。
キーワードは「細胞の質の劣化を食い止める方法」と「NK細胞の活性を上げる方法」
オートファジーとは、簡単にいうと身体の古い細胞を新しく生まれ変わらせる仕組みの
ことです。
細胞が新しく生まれ変われば、アンチエイジングに効果的であるだけでなく、NK細胞の活性も
高まります。
つまり、オートファジーを誘導させることは、アンチエイジングとがんの発症を防ぐ効果を
発揮するのです。
1日1食はオートファジーを誘導する?
では、どうすればこのオートファジーを誘導することができるのでしょうか?
そのために有効とされるのが、断続的断食法です。
昨今の研究で、16時間の空腹時間を作るとオートファジーが誘導されることがわかって
います。
断続的断食法とは1日のうちに16時間程度はものを食べない「空腹時間」をつくる
食事法のことです。
すなわち、1日1食の食生活を実践することで、16時間の空腹時間を作ることが可能と
なります。
始めてみるとわかりますが、最初の数日は空腹感が強く我慢することが辛く感じます。
しかし、この強い空腹感を無視して仕事を続けていると、2、3時間ほどで小康状態になり、
むしろ慣れてくると、空腹の状態が気持ち良いとさえ思えてくるのです。
感覚が研ぎ澄まされて集中力が増して、仕事や作業もはかどるのです。
この様に、最新の研究でも1日1食を実践して、16時間ほどの空腹時間を作ることが
健康やアンチエイジングに優れていることが分かっているのです。
オートファジーと糖尿病について
インスリン分泌に「オートファジー」が深く関わっているという研究成果が発表されました。
この機能を活性化できれば、2型糖尿病の治療や予防に役立つ可能性があります。
食事をして血中の糖(血糖)が増えると、膵臓にあるインスリンが分泌され血糖値が
下がります。
インスリン分泌細胞は血糖上昇に伴って細胞内へ取り込んだ糖をミトコンドリアで代謝する
ことによってエネルギーに変換して、これによりインスリンを分泌しています。
そのためインスリン分泌において、ミトコンドリアは非常に重要な役割を果たしています。
ところが、ミトコンドリアははたらき続けると徐々に傷ついてはたらきが悪くなってしまう
ことが知られています。
傷ついたミトコンドリアが細胞内に溜まるとインシュリンの分泌が悪くなるため、
インスリンを分泌し続けるためには、細胞は傷ついたミトコンドリアを分解して細胞内の
ミトコンドリアを常にフレッシュな状態に保つ必要があります。
1日1食を実践して、16時間ほどの空腹時間を作ることで、傷ついたミトコンドリアも
オートファジーによって分解され、新しい細胞に生まれ変わります。
このことから、オートファジーを誘導する1日1食や断食が2型糖尿病にも効果があると
言われているのです。
すでに糖尿病患者で血糖値スパイクを放置していると、インシュリン抵抗性から
高血糖が持続する状況になってしまいます。
インスリン抵抗性とは、膵臓から分泌される「インスリン」の効きが悪くなることをいい、
糖尿病で高血糖になる要因のひとつです。
この様に、最新の研究からも、様々な生活習慣病に1日1食や断食が効果的であることが
分かってきています。
まとめ
日本が「飽食の時代」と呼ばれるようになってから、随分な年月が経とうとしています。
昭和40年以降で、がんや糖尿病などの生活習慣病が急速に増してきた時期と重なります。
人類の過去の歴史を振り返ると、縄文時代は飢餓の時代と呼ばれ、
食べるものがない時には強制的に「絶食」するしかありませんでした。
そのおかげか、縄文時代には病気などほとんどなかったと言われています。
そして縄文時代が終わり、その後、弥生時代から水稲農耕に移行してから、江戸時代までは
1日2食が普通でした。
江戸時代などに、がんなどの生活習慣病があった話など全く聞くことはありません。
このことからも、食べ過ぎは万病の元と言えるのではないでしょうか。
「空腹」こそが最高のアンチエイジングと言えそうですね!