トランス状態(催眠状態)とは、いったいどのような状態のことを指すのでしょうか?
人は催眠に入ると、どうなるのか?
以前の記事「ヒプノセラピーとは?」で催眠状態とは、とても自然な状態だと、
ご紹介しました。
また、こちらの記事でも紹介した「変性意識」の状態と同じ状態です。
催眠を体験される人の中には、高次元とアクセスするなど、何か特別な意識状態に
なることを期待したり、一方では、マインドコントロールされてしまうのでは?と、
不安に感じる人もいます。
しかし、催眠とは実際にはそのような状態ではなく、とても自然でナチュラルな状態
なのです。
ですので、人は催眠にかかっていても、それが催眠だとは気づきません。
実際には、催眠にかかっているという感覚は全くなく、ただリラックスしている、
という状態なのです。
普段の生活の中での催眠状態
我々は、日々生活しながら何度も催眠に入っては出て、入っては出てを繰り返しています。
普段の生活の中での催眠状態
- 朝の寝起きのとき
- 自動車や自転車を運転しながら考え事をしている時。
- 集中して何かに取り組んでいる時。
- テレビや映画を観て主人公になりきっている時
- 夜の就寝のとき
これらは普段の生活の中での催眠状態で「催眠様状態」といわれています。
このような状態が、人の潜在意識に一番アクセスしやすい状態で、セラピストは
クライアントとの間で、意図的にこのような状態を作り出します。
そして、セラピストはクライアントの潜在意識にアクセスして事前にヒアリングした、
クライアントが望んでいるゴールに対して、肯定的な自分になれるように変化を促します。
催眠誘導
催眠誘導とは、普段の意識している状態から人を「トランス状態」に誘導する
テクニックです。
ヒプノセラピーの長い歴史の中で、催眠誘導法として様々な手法が開発されてきました。
そして、どの誘導法も潜在意識の深い領域にアクセスする、芸術的なテクニックである
ことは、共通して言えるところです。
深い催眠に入れるスキルとして、それぞれ異なった理論や背景があるのですが、
代表的なものとして以下の4つの誘導法があります。
代表的な4つの催眠誘導法
- ドクターフラワーズ法
- 黒板誘導法
- 段階的リラクセーション法
- イメージを使った誘導法
そして、プロのヒプノセラピストとして、様々なクライアントを催眠誘導しなければ
ならない場合には、引き出しを多くする意味でも、最低4つの誘導法は必要となります。
すべてのクライアントに有効に催眠状態に誘導させるためには、一つの手法のみでは
足りないのです。
このような理由から、4つの異なるタイプの催眠誘導法を学ぶのです。
催眠誘導は、外科手術でいうところの、メスで身体を切開する作業に似ています。
外科医が身体を開けて手術するように、セラピストは催眠をつかいクライアントを
トランス状態に誘導します。
そして、トランス状態に入ったクライアントの潜在意識にアクセスして心の治療を
行うのです。
トランス誘導する秘訣
催眠トランスに誘導する秘訣は何でしょうか?
それは、ゆっくりと単調に話したり、低い声で囁いたりという事になると思いますが、
アメリカを代表するヒプノセラピストのアンドレ・ウェットゼンオッパー氏は、
「こちらが催眠トランスに入っていれば、相手は催眠トランスを拒絶することができない。」
と自身の著書の中で語られています。
これは、ヒプノセラピストがクライアントを催眠誘導する際に、セラピスト自身も
トランスに入る必要があるということです。
セラピスト自身が、ゆったりとした気分で落ち着いていて心地よいトーンでゆっくりと行う
催眠誘導はとても気持ちが良く、その催眠誘導を拒絶することは不可能に近いと思います。
同じ空間で、同じ波動を共有しているセラピストとクライアントはある種の同調効果が
働くのかもしれません。